魔物に人間を襲わせる…?



それはまるで、



まるで、今問題になってるあの事件のように…?



「何よそれ…。何で二人とも止めないの!?反対なんでしょ!?」


「それは無理なのよ。」母さんは悲しそうに言った



「このプロジェクトは、誰にも止められない。
リーダーは…レミエル様なのだから。」



母さんの言葉に私は言葉を失った



レミエル様?
あの…レミエル様だと言うの?



「嘘…嘘よ!レミエル様が、そんなこと言う筈ない!」


優しくて偉大で、私達天使の模範になっている人


そんな人が…レミエルの称号を継いだ人が
人間と魔物を滅ぼす筈ない!!



「私、レミエル様に聞いてくる!!」



「亜未!!」



両親の声を無視して
私は家を飛び出した