いつもなら、冷静に返してくれる筈なのに
今は…何も反応はなかった
「オイ、聞いてんのかよ?」
何か
何か…おかしい
「…風?」
肩を叩こうと、手を伸ばした瞬間
俺の瞳に映った、狂ったような風の表情
「っーー!!」
一気に恐怖が襲ってきて、咄嗟に間合いを広げる
が、着地した時には手に持っていたパンフレットは粉々に破られていた
…攻撃、された?
まさか…全然見えなかった
風からとてつもない殺気が放たれる
俺は冷や汗が流れた
…今の風
まるで、あの事件の犯人のアイツみたいじゃねぇか…!
「ふ、う?」
俺の呼び掛けに答えずに
風は一気に間合いを詰めてきた

