†Daichi's side†
風と亜未がそれぞれの世界に帰ってから
一週間が経った
二人と最後に話し合った次の日から、学校は臨時休校になった
きっと…羽田が襲われた事が原因だ
その羽田も、まだ意識が回復していない
俺は一度寝返りをうつ
壁にかかった時計が目に入った
12時半…か
いつもなら、三人で昼飯食ってんだろうな…
あの日々が異様に懐かしい
もうずっと昔の事みたいだ…
俺は起き上がって、側に置いてあったパンフレットを手に取った
南の島が描かれた…ツアーのパンフレット
夏休みに…皆で旅行に行こうと約束した
それさえも、どこか霞んで見えた
「風…亜未…。」
二人の笑顔が頭に浮かぶ
瞬間、俺はパンフレットを持って部屋を飛び出した

