「大地?大地!」
「えっ?」声に我に帰ると、首を傾げた亜未の姿が写った
「何だよ亜未。」
「何だよじゃないよ。いきなり大地がボーッとするから…。」
確かに、俺の手の中には冷めてしまったコンビニ弁当があった
昼休み、屋上
ここで三人で飯を食うのが俺達の日課だった
「ほっとけよ亜未。大地だって1つや2つ悩みごとくらいあるさ。」
「ちょ、風!」
爽やかそうに野菜ジュースを飲んでいる風
つか…それって貶してるよな?
「風は甘やかしすぎなの!大地ってば、授業ずっと寝てたんだよ?」
「けど、成績は学年首位なんだろ今回も。」
風の言葉に亜未は言葉を詰まらせた
拗ねたようにパンを乱暴に口に運ぶ
風はいつだって冷静で
昔から俺と亜未をまとめてくれる
まるで…兄みたいだ

