諦めたその時

何故か詠唱は止まった



「えっ…?」



「何…?」


『風』も目を丸くした




レミエル様のせいじゃない…?



じゃあ何で、途中で詠唱が?



その答えが、動揺している『風』の前に



うっすらと姿を現す




「…風!?」



まるでレミエル様を押さえるように


透けた姿で風は現れた




「風…無事だったの!?」



「っ…何故…。君の心は既に闇のなかに消えた筈だ。」




『ざけんな…。身体は乗っ取られても、心までもお前には渡さねぇっつーの。』