えっ?



声を上げるまでも無く



私は『風』によって突き飛ばされた



「っ!」


床に打ち付けられて、一瞬呼吸が乱れる


ユラリと立ち上がって
私を見下す『風』の…碧色の瞳



「まさか…レミエル、様?」



「ご名答。」嘘だと言って欲しかったのに
『風』から出た答えは肯定だった



天使しか持たない、碧色の瞳


魔族の風の瞳が碧色な訳ない



なら、目の前の風は…




「ついに手に入れましたよ…魔族の身体を。」




ハハハ、と『風』の笑い声が響き渡る


身体は風だけど



中身は…レミエル様だ




「風に…乗り移った…!?」