「風…。」
ズズ、と野菜ジュースのパックが音を立てる
「俺達が離れる日なんて一生来ねぇ。もし、そんな事言う奴が現れたら俺がソイツを倒してやるさ。」
ニッ、と風は笑った
何の迷いもなく
自信たっぷりに…
「…そうだよな。」
風がそう言ったから
何だか、そんな気がしてきたんだ
「俺達が離れる事なんて、きっとない。」
今までも、これからも
俺達は、ずっと一緒に生きてきたんだ
「…そうだと、いいな。」
けど、亜未の表情は変わらなかった
悲しそうに
亜未は俯いた
「…最近ね、怖い夢を見るの。大好きな地上が、闇に覆われていって…。
怖いのに、大地も風もどこにもいなくて…私、一人ぼっちで。」
亜未…
「ごめん、只の夢なのに…。」
そう言った亜未の顔は
泣きそうだった

