風の声に
亜未はゆっくり頭を上げた


 
「いくら天使の王の仕業だからって、お前が悪い訳じゃないだろ?

だから、もう謝る必要は無い。」



「風…。」



それでもまだ晴れない表情の亜未
風は優しく笑いかけた



「それに、お前は俺を止めようとしてくれた。もうちょっとで俺は、大切な親友を殺すところだったんだ。」


「!風、それはっ!」


単なる誤解だ



そんな言葉で解決出来るほど、今回は甘くない
それは俺自身そう感じた



「それに、お前はこの計画を止めるって言った割りに声…震えてたぜ?」




「!!」亜未は口元を押さえた


これが、俺達が感じた違和感
迷いの無い言葉と共に
その声は…どこか震えていて




「…本当は、大地と、風と…三人でずっと一緒に居たかった。」