そう言って亜未が取り出した物は
四枚の桜貝が連なって

まるで、桜の花みたいだった



「何これ?」


「えっとね…お守り!」


お守り?

俺達は首を傾げた


「天界ではね、桜貝って凄い貴重な物で…。

桜貝が連なって出来た桜形のお守りを持っていれば、どれだけ離れても必ず一緒にいられるって言い伝えがあるの。」


「必ず、一緒に?」


亜未は少し切なそうに頷いた


「私達…種族が違うでしょ?いつか、もし離れなきゃいけなくなった時に…必ずまた、会えますようにって。」



亜未の言葉で

俺は改めて実感した



俺達は同じ学校に通ってるけど

風は魔族


亜未は天使


みんなそれぞれ故郷が違う


もし、いつか離れる日が来たら…



「来ねぇよ、一生。」