「お辞め下さい。」



あと少しで私の頬に届いていた筈のケバ子その2の拳はある男によって止められた。



「邪魔してんじゃね……レ、レオくんっ…」



ケバ子その2はその男を見た瞬間コロッと態度を変えて顔を赤らめた。

女子、恐ろし。


というか、この男の人、何処かで見た様な…



「あ。」


私は遠慮なく、男を指差す。

だが、そんな私を全く気にしないケバ子その2。



「レオくん、違うからねっ!その私この前の身体検査の時なんか握力10も無かったりして…か弱いの!」



痛い言葉を発するケバ子その2を全く気にしない男。



「初めましてでは…無いですね。」


「さっきの変態野郎の運転手っ!」


「運転手、といいますか…、麗羅様の世話係みたいなもので…神山レオといいます。」



「レオくんぅ~こんな女と話してないで私の相手してよ~っ」



ケバ子その2の存在を完全に消していたせいで再びわめき出した。