「気持ち悪っ……」
その第一声で心臓にグサリと何かが刺さった。
「あのロゴ…今すぐ塗り直せ、あとあの盗撮写真も。」
それは全て美麗ちゃん専用リムジンの車体に特注したプリントの事だった。
「ヤダ。」
「………ヤダ?」
珍しく美麗ちゃんに反抗したせいか美麗ちゃんは顰めっ面になる。
またそれもカワイイ。
「分かった。剥がさないなら乗らない、こんなんに乗るくらいなら歩いて遅刻した方がマシ。」
フンッと顔をそっぽに向けてしまった。
「うぅ…、じゃあ写真は直ぐに塗り潰すよ。」
「写真゛は゛?」
「ロゴの命だけは助けてあげてっ!うぅ、美麗ちゃんお願いだからあ」
駄々を捏ねる子供の様に美麗ちゃんの体にまとわりついた。
どさくさに紛れ軽いボディタッチ成功…。
「美麗ちゃんっ、お願い?」
上目使いで見つめると、直ぐに真っ赤美麗ちゃんが姿を表した。


