ホストーカー 【完】




すると、我に返った様に麗羅の顔が一気に青ざめた。


「そうだ、もう抱き締めちゃいけないんだった!!!」


と、呟くと私に絡まるその腕を離そうとした。


「……やだ。」



その言葉に麗羅は体の動きを止める。



「…やめないで」



初めて私から、抱き締め返した。


キツく、キツく、麗羅が逃げない様に。



「美麗ちゃん、何処かで頭打った?」


「そう…かもね。」



「麗羅…、キスしてよ?」



自分から懇願するなんて羞恥な事。

でも、今はキスが欲しかった。

甘くて、何もかも忘れられる様なキスを。