聞けば、この男の人伸と言い、私のストーカーの共犯者らしい。
そして、麗羅とは幼馴染みで私と麗羅の関係を知っていた。
「今、麗羅どこに居るか知ってますか?」
「えーーごめん!
それは俺でもちょっとわからないな。」
その言葉に酷く落胆した。
「そっか、美麗ちゃんは麗羅の事好きなんだね。」
ケラケラと笑うこの人にムカついた。
本当の事、全部見透かされて余計ムカついた。
「大丈夫。麗羅は君の事大好きだからもうそれは馬鹿みたいに。」
「知ってます。」
それは痛いほど知ってる。
数時間前までは確かにそうだった。
「大丈夫。」
ふにゃっと笑って見せるその笑顔は少し麗羅に似ていた。
その笑顔に酷く安心した。
「…ありがとうございました。」
「頑張れ!美麗ちゃん!」
麗羅には、こんなに自分を思ってくれる友達が居て羨ましいと思った。
そして、私は結局何の手掛かりも掴めずにホストクラブを出た。


