お父さんの言葉に今まで従わないことは無かった。


反抗したって結局丸めこられた。


だからと言って、自分の好きでも無い人とお見合いなんて絶対やりたく無い。

どうすれば良いか、わからない。


私はもう、もう、


どうすれば良いのかなんてわからなかった。


このまままた従わなければいけないただの道具の人生を送るのかと考えると、涙を流し続けた。


助けを呼ぼうと、スマートフォンを開く。


そこには、ネズミーランドに行った時に撮った麗羅が居た。


そういえば、待受にしたんだった。



こんな時なのに、まぬけな顔をしている写真の中の麗羅を見て思わず笑みが出た。


「好き…」


口から勝手に言葉が溢れ出す。



「好きだよ…」


そんなこと、私は…全然思ってないのに。


「好きだ…バカ麗羅…」


そんなこと…



私は知らぬ間に、君に捕まっていた。