その時だった。 ピンポーンと珍しく、訪問者を知らせる音が部屋に響いた。 こんな朝早くから誰だろうと不思議に思いながらインターホンに出る。 「有澤麗次だ。娘に会いに来た。」 カメラに写るのは、ダンディな二枚目のおじさんだった。 そして目元は美麗ちゃんにそっくりで、俺は直ぐに察した。 「今、開けます。」 俺は固いセキュリティを解いて、有澤麗次…いや、美麗ちゃんのお父さんを通した。