目蓋が重くなる。
コクリコクリとしていると、聞こえた声が。
「麗羅…ばか…」
眠りに落ちる前に見えた美麗ちゃんの笑顔。
そうか……俺は…
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まだ、新人ホストだった頃、No,1ホストの客を取ったとか揉めて喧嘩をした日
俺はいつもだったら通らないはずの道をその日だけ遠回りをして家に帰った。
その小さな小道の沿いに公園があった。
その公園は、遊具も無くベンチと大きな桜が一本植えてある子どもにさえあまり人気の無い小さな子園だった。
ましてや、深夜を回る時間、人なんて居るはずが無いに決まっていた。
ふと、その公園に目をやると、人影が見えた。
こんな遅い時間だから、変質者に違いないと俺は絡まれない様に目を逸らそうとした。
でも、逸らそうとした瞬間に君の…美麗ちゃんの横顔が見えた。
涙を流していた。
でも、笑っている様にも見えた。
桜がゆらりゆらりと散っていく中、その桜を見つめる少女に俺は心惹かれた。


