「誰に連れて来てもらったの?」
また、口パクで答える。
「…一人で来たの?
そっかあ、じゃあ良かった死人は出ないね。」
クスクスと笑う度、背筋が凍る。
「どうして、来たくなったの?」
「俺以外の男と遊びたくなった?」
その問いかけに、必死に私は首を横に振った。
「本当?良かった。」
麗羅は、安堵の笑みを零す。
それを見た私は、ふぅっと、ほっと一息をつく。
「…残念だけど、まだ安心しちゃダメだよ。」
すると、麗羅はわたしをお姫様抱っこする。
「…もう、今日は帰ろう。俺達以外誰も居ない二人だけの場所に。」


