「好きってこと。」
「は?誰が、誰を?」
「お前が」
指をこちらに向け
「麗さん…を」
指の方向にはお酒片手に、女の人とおしゃべりする麗羅がいた。
いつもとは違う、温かみの無い瞳
「あんな、感じ…なんだ。」
「私だけの麗なのに、もーっ、なんで他の女と楽しんでるわけーっ?ムカーッ!」
「勝手にアフレコするのやめて下さい。」
コウさんをジリジリと睨みつける。
そんな事…思うはずない。
私があんなに醜い嫉妬をするなんて。
認めたくなかった。
嫉妬
それは、身を持ってよく知った言葉。
いつだってその醜い感情によって私は傷つけられて来た。
身の覚えの無い、男と女。
男は私に一目惚れしたと言う
そこで、女の嫉妬の矛先は無関係の私。
否定しても、無駄で時には暴力に向かうことだってある。


