パレードもいつの間にか終盤になり
あとは残すことこの園の主役であるリッキーを待つのみとなった。
「あっ!リッキー来たよ!」
美麗ちゃんらしかぬ、大きな声を出してリッキーを指差すので
思わず俺もリッキーの方に顔を向ける。
「……チュッ」
不意打ちだった。
一瞬、ほんの一瞬、唇に暖かくて柔らかい感触がした。
時間が止まった気がした。
キスなんて何十回、いや何百回したかもわからない。
でも今までの何百回のキスまでも塗り替えてしまう様な
幸せな、幸せなキスだった。
目の前を通るリッキーを見ると、
こっちに向かって手で作ったハートマークを向けていた。
「…ファーストキス、使っちゃった…。」
初めての××。