「私の両親、夢とかそういう言葉大嫌いで
私がここに来たいって言ったら、拒絶された。
夢なんて描くものじゃないって、もっと現実見ろって。」
「そっか…。」
美麗ちゃんと両親の間には、きっと大きな蟠りがあって、
それをいつか美麗ちゃんが俺に話せる日が来れば良いな…と思う。
「だからね、今日は本当ありがとう。」
「えっ…!」
美麗ちゃんと目が合う、いつも目が合う度に俺の心臓はドキドキと音を立てるけれど、今日は何故かいつも以上に心臓が暴走していた。
「瞳、瞑って。」
体は硬直しているがなんとか瞼を動かして瞳を閉じる。
もしや…もしや…
このシチュレーションは!?
ついに俺の想いが美麗ちゃんに伝わったのか!?
俺は美麗ちゃんがキスしやすいようにと、
唇を前に突き出した。


