First☆love

「…雅章先輩!うちのばか兄貴はまだですか?!」



「…は?まだ中だけど…。」



「全く…いつも遅いんだから…。」



「…なぁ…美優は?」


「えっ?聞いてないんですか?」


しまったという顔をしてこちらを見ている。


バレバレだよ。




なんか隠してんだろ…。



「…なぁ…何隠してる訳?」




「いえ…何も…。」


「ったく…どおせ俺もお前ら兄弟と行動するから何があるかわかんだよ。言えよ…。」


少しイライラした口調。


怯えたように妹は口を開いた。


「…美優…が…山下…君と…デートを…。」



は?



あいつ…振ったんじゃねぇの?



「付き合ってないんだろ…?」






「…は…はい。」



くそっ!意味わかんねぇ…。


この前はそんなこと言ってなかったじゃねぇかよ。




「俺…帰る。」





一人で先に帰り始めた。




すると目の前には美優がいるのがわかった。



「…み…。」




男も一緒だ。



俺…殴りそうだ…。




なんだよあいつ…へらへらしやがって…。


山下とかいうやつがこっちに気付いたのか怪しい笑みを浮かべた。




あいつ…やべぇ…。