朝学校に行くと私の靴箱には、一つの紙切れが入っていた。



《放課後教室で待ってます。山下隆文》



山下君は同じクラスの子で、女子に人気がある。



なんか用事かな?




私は、不思議な気持ちになりながら教室に向かった。


そこには珍しく愛美ちゃんが来ていたので、昨日私が雅章先輩のことばかり考えてしまったこと、雅章先輩のことを思うと胸が苦しいこと、これが恋なのかもわからない。




そう相談した。



「うん。段々美優もわかってきたんだねぇ。進歩したのよ。」



「進歩?」


「そ…子供から大人へと気持ちが切り替わってきてるのよ。大切な人を見つけるための…ね?」


「…うん。」


「…一つヒント…周りの男子と雅章先輩を比べてみなさい?」


「周りの男子と…雅章先輩を?」

「そ…。てっとり早いと思うわよ?」


「ありがとう…。」

「いえいえ。」


愛美ちゃんはものすごく大人だ。


きっと恋したことがあるんだと思う。



私は授業中ぼぉ~と空を眺めていた。



たまに先生に怒られちゃったけどね。









放課後はすぐに来た。



私は約束通り山下君を待つことにした。





同じクラスなのにどこに行ったんだろう。



ガラッ


誰もいなくなった教室のドアが開いた。