「…ぃえ!違います!」


そんななおもいっきり否定すんなよ…。


「じゃぁ、男前の君には先に撮影現場に行っててもらおうかな!」


「わかりました。」


俺は美優を置いて一人で撮影現場に行った。


そこには美優のお母さんであろう人やスタッフの人が沢山いた。


「あらあなたが美優のお友達?」

「あっ…はい。坂垣雅章です。美優さんとは同じ部活で野球部です。」


「そう…彼氏じゃないのね…。残念だわ。」

「あっ…すみません…。」


ってなんで俺が謝るんだ。


「…美優のことよろしくね?それと…あの子が撮影に誰か連れてくるなんて初めてなのよ♪ふふっ♪」


そういうと美優のお母さんは仕事に戻った。

初めて…か…。

俺はなんだか嬉しくなった。



あいつにとって特別な意味はないだろう…。


けど…俺にとってはすごいことなんだ。












入学式の日…。


俺はあいつを見つけた。

何故か泣いていたんだ。

俺は思わず声をかけてしまった。


その瞬間一目見てこの子が噂の如月美優だとわかった。


それからというもの…あいつの顔が離れない。


情けない話だが今まで女を好きになったことなんてない。


だからこそ、この気持ちが恋だと気付くのには時間がかかった。


俺の初恋…。






あいつが…



美優が…好きだ。