「ねぇ、お姉さんって無防備だね

こんな簡単に男部屋に入れちゃってさ。

あ、もしかして・・よくあること？」


「むぼっ・・・・？！

べ、別にないですっ
男に興味ないですし・・・。
寄ってくる男もいませんよ」


「ふーん・・・・。
もしかして、俺が男の中でお姉さん家入ったの初？」


「・・・・そう・・・ですね」




確かに、考えてみれば今まで私の家に男が入ったことはない。
兄弟もいないし、彼氏だって一度もいたことない。
親すらここに来てないし。
一番に入った男が、家出青年になるとは・・・・世の中は何が起こるかわからない。




「一週間だけ住まわせて？
まぁ、ダメって言われても住むんだけどね～」




・・・・・・・本気ですか



「・・・・・1週間・・・・・だけ・・・ですよ。

1週間経ったら出て行ってくださいね」



「はーい」



・・・・私は彼に対して不思議と“悪い人ではない”
そう思った。
特に理由はない。
ただ、そう感じただけ。



「じゃぁ契約」



「契約？」



「1週間だけっていう契約だよ」




“子供の遊びだと思って付き合って”
そう言って、小指を私に向ける


「・・・・何・・・ですか？」


「知らない？指切り」



いや、指切りは知ってるけど・・・・・・。


「ほら、早くお姉さん小指出して」