何なの・・・・・。
自分から聞いてきたくせに・・・・・
私が作れるもの・・・・・・何だろう・・・・・・
かろうじて、家に炊飯器はある
お米がないのか・・・・・・



「・・・・・お米と卵買う」


「何か作れるの?」



卵を焼くくらいなら、私だってできる・・・・はず。


とりあえず、お米を5㎏と卵を一パック買った。
家に帰る途中、不思議だな・・・・とふと思った
買い物袋を持ってる私。
隣にはお米を抱える颯人


・・・・家族って・・・こんなものなのかな・・・・?


颯人は恋人じゃない。夫でもない。
ただ、一緒に住んでるだけ
・・・・ただ、契約上の関係で一緒に暮らしてるだけ



「鈴ちゃん?」


「え?」


目の前には、いつもと見慣れたロビーが。


色々考えてる間に着いたんだ・・・・・。



「早く鍵~」


「あ、うん・・・・」


ポケットから、家の鍵を取り出すとその拍子に携帯が落ちた


「あ、鈴ちゃんも携帯落ちたよ?
画面とか大丈夫かな?」


颯人が携帯に手をのばす。



「拾わなくていい!」


とっさに、私は叫んだ。
それでも、颯人はそれに構わず私の携帯を手に取った。


「あー、よかった
画面割れてないよー。修理代浮いた・・・・」


直後。
パァン!と乾いた音がロビーに響いた。