「先輩、好きです。
 コレ受け取って下さいっ」



そう言って、橘恭平に渡されたのは
ミルクチョコレートのお菓子。





・・・今日は一年に一度のバレンタイン。





だが、橘恭平は





「俺、ホワイトチョコしか食べないから。」








そう言って

その場を立ち去った。








残された女の子は泣いていた。






「馬鹿だなー。結構可愛いけど、
 好きな人の事はちゃんと調べておかなきゃ。」







ぼそっと呟きながら空を見上げていた。


──────水城 柚子。16歳。