「ああ-ッだるいわあ」


通勤通学の人通りの多い,駅前のコンビニで,ココア片手にあくびをしている少年がいた。



えりあしが長い金色の髪に,背中に虎の刺繍が描かれている黒のスカジャンがひときわ目立つ。



「お前が悪いんやで。
夜中に急に
始業式暴走する!
とか言い出すから」


もうひとりの,坊主の少年が煙草を吸いながら言った。


この少年も黒のスカジャンを着ている。


「今日学校どないしよ。。。」

金髪の少年が頭を抱え込んだ。



「イサム行かへんのやったら,今日暴走した意味ないやんけ」


坊主の少年が,イサムと呼ばれた少年の手から,ココアの缶をとって,飲み干した。

「お前何すんねん!俺のココアやぞ!」

イサムは立ち上がり,坊主の少年の胸ぐらを掴んだ。

「今日は絶対学校なんか行かへん!お前のせいやぞマサキ!」


坊主の少年マサキはニヤリと笑った。


「今日大阪から転校生来るらしいのになあ。。。」

マサキはゆっくりとイサムの手をふりほどく。

「イサムくんはお休みですか。。。
残念やねえ。。。
女の子の転校生に会わへんのですかあ。。。」

イサムの目つきが変わった。

「しゃ。。。しゃあなし会うたるわ」