「なんで?」
「余計な事しない?」
「しないわよ」
「じゃあ、いいけど」
「結子が一目惚れした人って、どんな人か見てみたいなあ」
「やだなあ。好奇心なの?」
真衣は結子に比べると遙かに積極的な女だ。
そんな真衣に思い切って背中を押してもらいたいような気もする。真衣に相談しているのはそれを期待しているのかもしれない。
さっそく、その日の仕事の帰りに二人揃って「つるや食堂」へ行くことになった。
駐車場に車を停めると男が乗っているトヨタの紺色のサーフが既に止まっていた。
「汚い車ね」と助手席の真衣が言った。
タイヤは泥だらけで車体にも泥が付着している。
「大丈夫なの?」
「え?」
「車があんなに汚いようじゃ。心配ね」
「きっと忙しい人なのよ」
「まあ、いいけど」
「あのね。真衣が期待しているほどいい男じゃないからね」
車から降りようとする助手席の真衣に念を押すように言った。
「はいはい。外見は気にしないから」
「変なことしないでよ。見るだけよ」と真衣の背中越しに言った。
「動物園のパンダでも見るみたい」
真衣は先に食堂の開き戸を開けて中へ入って行った。
「ねえ、どの人」と後から入ってきた結子に小さく聞いた。
結子が目で男の居場所を教えると真衣はゆっくりと頷いた。二人は男と少し離れたテーブル席に座った。
席に座ると真衣はじーっとその男の横顔を見つめていた。
「余計な事しない?」
「しないわよ」
「じゃあ、いいけど」
「結子が一目惚れした人って、どんな人か見てみたいなあ」
「やだなあ。好奇心なの?」
真衣は結子に比べると遙かに積極的な女だ。
そんな真衣に思い切って背中を押してもらいたいような気もする。真衣に相談しているのはそれを期待しているのかもしれない。
さっそく、その日の仕事の帰りに二人揃って「つるや食堂」へ行くことになった。
駐車場に車を停めると男が乗っているトヨタの紺色のサーフが既に止まっていた。
「汚い車ね」と助手席の真衣が言った。
タイヤは泥だらけで車体にも泥が付着している。
「大丈夫なの?」
「え?」
「車があんなに汚いようじゃ。心配ね」
「きっと忙しい人なのよ」
「まあ、いいけど」
「あのね。真衣が期待しているほどいい男じゃないからね」
車から降りようとする助手席の真衣に念を押すように言った。
「はいはい。外見は気にしないから」
「変なことしないでよ。見るだけよ」と真衣の背中越しに言った。
「動物園のパンダでも見るみたい」
真衣は先に食堂の開き戸を開けて中へ入って行った。
「ねえ、どの人」と後から入ってきた結子に小さく聞いた。
結子が目で男の居場所を教えると真衣はゆっくりと頷いた。二人は男と少し離れたテーブル席に座った。
席に座ると真衣はじーっとその男の横顔を見つめていた。
