「ボロ病院だろ?」
「え?・・・そうですね」
「ハハッ。正直だなあ」
「あっ、すみません」
浅井はどうぞと言うと病院の開き戸を開けて中へ入って行った。
病院の入り口から中へ入ると予想に反して整然としていた。
部屋の広さは10畳くらいで窓から光がたっぷりと注ぎ込んでいて明るい感じがした。床は綺麗なモルタル塗りで、壁にはまだ、木の香りがする板が貼り付けられていた。
真ん中には4人が座れる応接セットが置いてあり、壁際には机と薬品が並べてある戸棚が置かれている。その他には薬品が入ったガラス張りの冷蔵庫や検査器具らしいものなどが壁に沿って並んでいた。
結子は応接セットに座りながら部屋の中をジロジロと眺めていた。
浅井は小さな冷蔵庫から缶コーヒーを2本取り出してテーブルの上に置いた。
「どう?中は綺麗だろ?」
「ええ。ちょっと安心しました」
「安心?」
「外見があんまりだったから」
「ハハッ。外見は気にしない」
「そうですね。でも、牛さんはどこで診察するんですか?」
「さすがにこの部屋には入らないなあ」
「ですよね」
「牛が大暴れするとおしまいだ」
「・・・ですね」
「病院だけど、ここでは診察しないんだ。診察するのは牛舎にいる牛なんだ」
「そうなんですか」
「ここは準備室みたいなものかな。車庫に車があるんだけど。それに必要な器具や薬やらを積んで牛を飼っている農家を回るんだ」
(牛の獣医さんは往診専門なんだ)
「え?・・・そうですね」
「ハハッ。正直だなあ」
「あっ、すみません」
浅井はどうぞと言うと病院の開き戸を開けて中へ入って行った。
病院の入り口から中へ入ると予想に反して整然としていた。
部屋の広さは10畳くらいで窓から光がたっぷりと注ぎ込んでいて明るい感じがした。床は綺麗なモルタル塗りで、壁にはまだ、木の香りがする板が貼り付けられていた。
真ん中には4人が座れる応接セットが置いてあり、壁際には机と薬品が並べてある戸棚が置かれている。その他には薬品が入ったガラス張りの冷蔵庫や検査器具らしいものなどが壁に沿って並んでいた。
結子は応接セットに座りながら部屋の中をジロジロと眺めていた。
浅井は小さな冷蔵庫から缶コーヒーを2本取り出してテーブルの上に置いた。
「どう?中は綺麗だろ?」
「ええ。ちょっと安心しました」
「安心?」
「外見があんまりだったから」
「ハハッ。外見は気にしない」
「そうですね。でも、牛さんはどこで診察するんですか?」
「さすがにこの部屋には入らないなあ」
「ですよね」
「牛が大暴れするとおしまいだ」
「・・・ですね」
「病院だけど、ここでは診察しないんだ。診察するのは牛舎にいる牛なんだ」
「そうなんですか」
「ここは準備室みたいなものかな。車庫に車があるんだけど。それに必要な器具や薬やらを積んで牛を飼っている農家を回るんだ」
(牛の獣医さんは往診専門なんだ)
