あー、真樹のだ。


「…実は今日、真樹も泊まるから」


「え?たしか、…華織ちゃんのカレシ?」


「ん。たぶん、俺は敵意向けられてるけど」


ちら、と奥のリビングを見る。真樹はテレビも見ずに、顔をひざに埋めていた。


「今日は…普通で良いんだ」


「ん?」


「今日は、俺の気持ちに決着をつける日かもしれない」


俺は、ニッと久野に笑って見せた。