耳を疑う。 そりゃそーだ。真樹がそんなこと申し出たのは初めて。 しかも… 「俺の、家?」 歩いて二分ほどのところに、華織の家があるんですけど。 「寝る家がないんだ。頼む」 …そういえば。 真樹の家庭環境を、俺はまったく知らない。 聞く権利もないと思ってる。 「良いよ。それと今日は、俺の友達も来るから」 久野のことだった。