やってしまった。


「華織ー!ちょっと分からないトコあるんだけど」


「はーい!」


カラリと笑顔になり、女子の声に応える華織。


俺は固まるしかない。


華織はまるで、仮面をかぶったようにニッコリ笑う。


「じゃ、テストがんばろうね。」


足音が遠ざかる。


俺は、あの言葉の深意と、あの笑顔を知っていた。


『信じない』


俺は裏切った。


華織を。