「悠生ー!まだ本読んでるのー?」 母さんの声で、我に返る。 時計を見上げると、もう8時だ。やべえ、まだ準備してね。 「悠生、また読んでるのか」 「あ、父さん」 部屋に入ってきたのは、実に優しい顔をした父さん。 顔で言うと母さんが好みだが、父さんの人柄も素晴らしい。 俺は本を持った。 “警察の仕事が分かる!” 表紙にはそう書いてある。