きっと、真樹のとても大切な人だったに違いない。


…だとしたら


“俺達”は、真樹に大きな穴を空けさせてしまった。


大切なものを、取り上げてしまった。


「…圭。あたし、…」


悠生が、立ち上がった華織に「ままー」と抱き付く。


俺は優しく悠生を離させ、華織に向かって頷いた。


“行け”


真樹を、放っておけないだろう。


それに俺なんかより、華織の方が良いに決まってる。