手を伸ばせば、届く距離まで。




「あ」


「早く神崎に戻ろう。昼も終わるぞ」


「あ、ハイ、いや先輩。ちょっと、あの子」


橘が指差す先。


幾分か距離が縮まった為か、顔までよく見える。


そして、シッターに手を引かれた男の子は、こちらを見ていた。


「ぱー、ぱー」


…え?俺?


赤信号になった。そして、シッターは顔を上げる。


「あっ―――」


もしかしてあの子―――


「悠生!!」