またまた不思議げな橘。 過去を知らないだけに、話をしなければな、と思う。 「はいはい」 「はい、は一回だけで良いと教えられた。無駄を省くのだ」 「はーーい」 「…無性に殴りたい」 橘を先に行かせ、俺と愛桜は噴水のある中庭に行った。 俺は不本意にも、胸の高鳴りを感じる。 ―――まさか…なあ。