手を伸ばせば、届く距離まで。




「…あの変な奴が、社長だなんてなあ…」


あまり、まだ実感が湧かない


橘がそんな俺を見上げ、心底不思議そうに


「先輩、神崎社長とどんな関係だったんすか?」


なんて聞いてきた。


…どんな関係?どんな関係だっけ。


「えっと…元々俺が嫌いだった男の友人?」


「意味が分かりませんよ」


「…とりあえず、妹を通じて出会った、ってのは言えるな」