手を伸ばせば、届く距離まで。




瞬間的に理解した。


すぐに脇に寄せ、慌てて頭を下げる。周りもだった。


そして、受付嬢がまた律儀に礼をするのが見えた。



「おはようございます、社長。」



神崎、昇。


神崎企業のトップで、俺の同級生だった超美形男だ。


その容姿と気さくさから、契約交渉でも何でもやってのける


故、その社会影響力は多大。


最早刃向かうライバル企業も、いなくなっていた。