「おはようございます」 律儀に頭を下げる受付嬢を一瞥してから、橘に目をやった。 予想通り、受付嬢に熱いウインクを投げつけていた。 呆れた吐息をする。 「お前、よく企業に入れたよな」 「あ、ヒドッ!先輩、これでも俺警察官の息子っすよ?」 「…どうりで」 どうりで、橘は正義感が強いと思った。 …だから、重ねてしまったのだが。