「良いなあ。御曹司家庭に、仲間入りッスねー」


「だから、俺は、」


「あ、着きましたよ先輩。行きましょう」


うっわ…無視かよ。先輩を敬え、後輩よ。



そんな思惑はいざ知らず、橘はずかずかと会社へ進む。


恐れ知らずと言うか、鈍感と言うか。


まあいいや、と俺も続く。


俺らの労働場、“神崎企業”へと。