「…でも、あれだな」


頭を掻いて、空を見上げながら久野が言う。



「俺らって、親友なんだな」



胸に刻むように。


しっかり、喜びを噛み締めたような声音だった。


俺も、空を見上げた。


うっすら浮き上がる月が、綺麗に光っていた。



「―――そうだな」



そして俺は、肯定するのだった。