「だから、パンを持って帰って、トオノに食べさせてたのか?」 トオノとは、華織の妹だ。 華織はうなだれたように、首を縦に振る。イエスか。 「…も、あたし役立たず…」 「……そんな、責めるな」 背中をさする。 すると、嗚咽は少し収まったようだ。 「俺が、夕飯作りに行こうか?」 あっ…またでしゃばった。 俺は、彼氏なんかじゃないのに…。