「ところで…」


愛桜ちゃんに、目をやった。


かすんだ瞳は何やら、言いたくても言えない心情を語る。


「愛桜ちゃんは、何でお兄さんを探していたんだ?」


愛桜ちゃんは、何も言わない


神崎が代わりに、苦笑しながら答えた。


「俺が、兄だからだよ。一番気持ちが通じ合える、ってことだから」