手を伸ばせば、届く距離まで。




俺と真樹は分からず、首を傾げる。


神崎は胸の愛桜ちゃんを撫でながら、気にせず説明した。



「昔も誘拐されたり、売買されかけたりなど大変だったので、苗字は伏せ変な子になるよう、言い聞かせてあって」



…えっ。怖っ、企業社会怖!


爽やかに言ってのける神崎が、健気に見えてくる。