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テスト期間に入った。


受験生にとって、テストは一番神経がとがる行事。


クラスには、真剣な空気がただよっていた。


「あーん、もう分かんないってばー!」


ばん、と教科書が叩き置かれる。


華織のシワザだった。


「…んなこと言ってると、高校行けないぞ」


「それ、真樹こそ自覚しなきゃいけないんじゃなーい?」


「……チっ」