手を伸ばせば、届く距離まで。




「分かるか?圭君」


「…?」


「つまり、“助ける事が出来るか”ではなく、“悩める人を導いてあげられるか”ってことだ」


悩める人を…導く?


助けることに、責任感なんていらない。


必死にもがく人を、正しい道へヒントをやれるか。


つまり、恨んだ生徒は自分の道を切り開けたということ。


つまり―――


助けることだけが、カウンセラーの仕事ではないということだ。