手を伸ばせば、届く距離まで。




カウンセラー…。


無意識に身構え、途端に久野も目を鋭くさせる。


そして、栗原という先生は、頭痛がするかのように頭を抑えた。


間髪入れずに、


「そんなに警戒しないでくれ。僕は、圭くんに会うためにここに来たんだ」


「圭、久野くん。とても良い人だから、心配しないで」


華織にそう言われると、警戒を解くしかない。


久野は変わらず、刹那を発していた。