手を伸ばせば、届く距離まで。




すぐに冷静になった久野が、男の人の顔姿を見て言った。


「栗原?」


「…あ!」


栗原?


何か、真樹も知っていたらしい。


えっ?俺だけ知り合ってない?まじかよ。


「うっ、ぐ…究極に…気持ち悪い…」


栗原とかいう男の人が、いきなり立ち上がった。


吐き気。トイレを探しているらしい。


真樹もあわてて案内した。


そして、水道の音を背景に4人が改めて顔を合わせる。