手を伸ばせば、届く距離まで。




どれだけ差別されようと、貶されているのは“天沢”で


今生きているのは“栗原”なんだと思った。


父親は小さい時に亡くなっていた。


どちらを名乗ろうが、俺の勝手。


俺は自立目指して、ひたすら勉強に浸った。


けど相変わらず、


“痛み”は消えることはなかった。


何の能力か、さっぱり分からなかった。


どう活かすかも、考えなかった。