手を伸ばせば、届く距離まで。




事故に遭って手術はしたものの、悪化したらしい。


父親は一度も見舞いに来なかった。


『うわあああぁ…』


悲しすぎた。


最愛の人を亡くし、初めて父親を憎んだ。


作る料理には、砂を入れたりした。


あいつは俺をひっぱたいた。


『貴様ァ、俺の子じゃねえな!?』


憎かった。


あいつは間もなく、借金から逃れようと出て行った。